なぜ思考力等を評価する必要があるか

思考力等を評価する必要性について

Society5.0に向かう劇的な変化の中で、塾・学校等教育業界にも大きな変化が求められています。ただ、ここで生き抜くために必要な力は、今まで見たことがないような特殊な能力では決してありません。

むしろ「知識・技能」「思考力・判断力・表現力」をベースとし、言葉や文化、時間や場所を超えながらも自己の主体性を軸にした学びに向かう一人一人の能力や人間性が問われます。これまでに議論されていたことを、具体的に実行する待ったなしの状況だと考えています。

これらの能力を伸ばすために必要なことは、知識・技能としての語彙や数的感覚などの基礎学力と、文章や情報を正確に理解し論理的思考を行うための「思考力・判断力・表現力」を結びつけて評価することです。

すでに中学入試では適性検査や思考力を問う入試が増加しており、高校入試においても東京都、埼玉県や神奈川県の公立高校の学力検査などでも導入が進んでおります。

プレミアム学力診断では、各教科・科目の特質に応じ、知識・技能を十分に備えているかの評価も行いつつ思考力・判断力・表現力を中心に評価を行います

学び意欲診断では、人工知能(AI)によって学習意欲を測定し、どうすればそれぞれの力をより伸ばせるかという評価を行います。

これらの評価の観点を問題に組み込むことで、暗記力に依拠した学力ではなく、思考を伴った解答かどうか評価することが可能になります。

思考力・判断力・表現力の定義について

高度な詰将棋の問題を正解できる人は、世間一般においても「考える力がある」と認められるかと思います。そしてその問題を作り試験を実施することもさほど難しくありません。しかし将棋では領域が偏りすぎており、問題の多様性もありません。

ここでこの考える力「思考力・判断力・表現力」を定義する必要が出てきます。ただこの思考力等を全ての人が納得できる定義に落とし込むことは極めて困難で、また思考と判断の区分も問題になります。

当テストでは、この区分を便宜的に以下の1~3と定め、作問できる範囲でできるだけ広く、複数の思考力等の定義を積み重ねることで、必要かつ重要な範囲を概ねカバーするアプローチを取ります。

  1. 規則・順番や上下関係などを決めるものは判断力
  2. 何らかのアウトプットを行うものは表現力
  3. 上記以外はすべて思考力

これに対する批判として、「X群と異なる思考力Zを測れない」が想定されます。

この「Zを定義として追加することも可能」ですが、新しい定義を増やすことは簡単ではないため、作問が難しくならない程度に、できるだけ汎用的で狭い定義をいくつか用意しこの中で対応するという方針です。

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